レースは、その昔「糸の宝石」とよばれ、王侯貴族やブルジョア階級の富と権力の象徴でもありました。
レースの価値は、一国の経済も左右するほどであったとも言われています。

16世紀、クィーンエリザベス1世や17世紀、ヴァン・ダイクの肖像画にも見られるように、ハンドレースは女性だけでなく、男性のファッションにも不可欠なものとなり、大きな襟や袖口、ブーツのふち飾りなどに高価なレースで飾られました。
そして、18世紀の宮廷でも豪華な織物の衣装に重ねて華やかなハンドレースが展開されていきました。
美しい袖口飾り(アンガジャント)やボンネットにもたくさんのレースが使われ、
アルジャンタン、アランソンなどのニードルポイントレースやヴァランシェンヌ、マリーヌなどの繊細なボビンレースが好まれました。
皆様もマリーアントワネットをはじめとする貴婦人たちのドレスを飾ったすばらしいレースたちを思い出していただけるでしょう。
産業革命後、機械レースの発達で、産業としてのハンドレースは、衰退してしまいますが、
一部の産地やレース学校などを通し、その魅力は、多くの女性を魅了し続けています。
大量生産で何でも簡単に手に入る時代だからこそ、果てしない時間と手をかけ編み上げられたアンティークレースにロマンを感じるのかもしれません。
そして、アンティークレースには、その図柄にも意味があります。
大切な人の幸せを祈ったものであったり、神様への祈りであったり、レースにはそれぞれの強い想いがこめられてきたからこそ、私たちの心を揺さぶるのかもしません。
遠い昔、私たちと同じ女性たちが、想いをこめて作り上げたレースたちを今の時代に大切につたえていきたいとボンクラージュは思っています。 |